「現金給付」リーマンショックに学ぶ

2020年04月24日・コラム
「現金給付」リーマンショックに学ぶ

目次

    ※2020年5月1日にコンテンツ内の情報をアップデートしました。

    2020年4月7日、東京や大阪など7都府県に「緊急事態宣言」が発令されました。対象地域はもとより、全国的に「これからどうなるのだろうか」という空気が広がっています。これまでも日本にはさまざまな災害や難題が降りかかりましたが、今回はそれらより規模が大きいともいわれています。特に旅行・観光・飲食業は2月下旬から長期間に渡り自粛が続いたため、弱り切っていたところに今回の宣言です。同時に「108兆円」もの経済対策も発表されましたが、そのなかで国や政府から直接補償される部分(真水、といわれています)がどれくらいなのかは分からず。また支給が5月末になるともいわれ、それまで生活が持つのだろうかという不安もあります。

    いま分かることは約10年前の「リーマンショック時」以来の緊急事態ということです。リーマンショック時にも経済対策「現金給付」がありました。記憶にない人も多い10年前を振り返ってみましょう。

    1.2009年の現金給付とは?

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    現金給付というと記憶に薄いですが、「定額給付金」というと思い出す人も多いでしょう。リーマンショックによる経済落ち込みに加え、資源高騰も背景にあったといわれています。給付対象者の条件をまとめると以下の通りです。

    <定額給付金の支給条件>

    ●受給者1人あたり12,000円

    ●基準日を2009年2月1日と設定し、基準日において65歳以上および18歳以下の人は8,000円が加算され20,000円

    ●世帯主による申請が基本だが、代理申請もあり

    ●約6億7,000万円の赤字国債で対応

    2.定額給付金が「失敗」といわれる理由

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    貯蓄にまわることを避けるため、クーポンではなく現金給付とした2009年の定額給付金。ただ、支給決定直後の世論は、給付に否定的でした。2012年に内閣府が行った調査でも、次のような結論が指摘されています。

    ●受給月に8%。受給月以降を加算すると受給額の25%分に相当する消費増加

    ●耐久財については受給額の36%分、半耐久財においては受給額の5%分の消費増加

    ●子どもがいる世帯では受給額40%、高齢者がいる世帯では37%分の消費増加

    受給者1人あたりの「12,000円」で計算すると、給付金支給による消費増加は3,000円です。子どもがいる世代は20,000円なので、40%で8,000円、高齢者のいる世代は37%の7,400円といえます。当然にもこれは、政府が想定した効果とは言い難いでしょう。

    ただ、筆者は一定の効果があったと考えています。消費も貯蓄も(システムとして)出来る給付において、累計で25%が消費に回ったのはプラスです。また、この内閣府調査は家計調査をもととしたものです。調査した2012年のあいだには消費に回らなくとも貯蓄され、住宅購入や子どもの大学入学といったライフイベントにまわった可能性もあります。また、給付金支給後2011年に東日本大震災があり、消費意欲に大幅な抑制がかかったことも付加して考えなくてはなりません。

    3.今回の現金給付はどうなるか?

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    2020年5月1日現在、全国民を対象に一律10万円を支給する「特別定額給付金」などを含む補正予算案が可決・成立しました。一番気になるのは給付を受けるための手続きでしょうか。総務省のホームページから概要をまとめてみました。

    ①誰が受け取れるのか

    2020年4月27日時点で住民基本台帳に記載されたすべての国民とのことです。

    ②受け取り方法

    住民基本台帳の情報を基にして、市区町村が世帯全員の氏名が記載された申請書を登録住所に郵送します。世帯主や代理人が金融機関の口座番号などを記載し、運転免許証の写しなどの本人確認書類を添付して返送すると、世帯分の給付金が口座に振り込まれます。
    マイナンバーカードを持っている場合は、マイナポータルにアクセスし、申請画面で振込先口座を入力し、口座の確認書類をアップロードするなどすれば、同様に振り込まれるようですので、返送の手間がない分楽になると考えられます。
    なお、2020年5月1日現在、マイナポータルでの申請受付は679市区町村に限られていますが、国主導で引き続き利用できる市区町村を拡大していく見込みです。

    ③受け取り時期

    受付及び給付開始日は、市区町村が決定することになります。なお、申請期限は郵送での申請受付開始から3カ月以内とされているので注意が必要です。
    なお、支給時期は市区町村によって大きく異なるようです。既に「特別定額給付金」を支給している自治体もあれば、「特別定額給付金」の先払い制度(生活に困っている人に、無利子で給付金分のお金を貸付け、後ほど支払われた特別定額給付金で清算)を実施している自治体もあり、また人口の多い東京都内の自治体では支給時期は6月になるとの想定もあります。
    市区町村のホームページ等で、最新の情報をチェックしましょう。

    SNSや口コミなどで、怪しい情報、誤った情報が飛び交っていますので、政府や総務省、各自治体からの正確な一次情報を逐次確認し、行動するようこころがけましょう。

    当サイトにおいても、最新の情報があり次第、アップデートしていきます。

    【この記事の著者】

    株式会社FP-MYS 工藤 崇

    株式会社FP-MYS 工藤 崇

    FP-MYS代表取締役社長CEO。1982年北海道生まれ。相続×Fintechプラットフォーム「レタプラ」開発・運営。資格学校勤務後不動産会社、建築会社を経て2015年FP事務所を設立。1年後の2016年7月に法人化。多数の執筆のほか、Fintech関連のセミナー講師実績を有する現役の独立型ファイナンシャルプランナー(FP)として活動中。スタートアップとしてシードラウンドまでの資金調達完了済み。拠点は東京都中央区茅場町。

    LettePla:https://letteplabiz.com/

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