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例年になく雨の多い「梅雨らしい梅雨」の2020年です。カレンダーとしてはあと1ヶ月で明け、本格的な夏が到来します。春休みもGWも自粛でどこにも行けなかった今年は、夏休みこそ!と意気込んで旅行・遠出の計画を立てている人も多いでしょう。その一助となるべく、政府が提唱した観光の復活策である「Go To Travelキャンペーン」。ところが、いくつかネガティブなニュースが続いたあと、最近あまり進捗を聞かなくなりました。あれ、キャンペーンを利用して夏旅行を考えていたけれど、間に合わないのでは?という懸念も。
まず、Go To Travelキャンペーンの全体像を抑えましょう。通称はTravelを抜き、Go Toキャンペーンと称されることも多いです。2020年初頭より新型コロナウイルス感染拡大を受け外出が忌避されるようになり、甚大な影響を受けた業種のひとつが観光業でした。
日本の観光業はこれまで、国内旅行と国外旅行によって成立してきました。2020年6月現在は国外からの観光客需要が回復したとはいえず、Go Toキャンペーンは比較的回復基調の見える「日本国内の人の流れ」に需要喚起を目指す施策といえます。
・Go To Travelキャンペーン
旅行業者等経由で「旅行商品」を購入した消費者に対し、代金の1/2相当分のクーポン券を付与するものです。1人あたりの上限額は1泊あたり2万円となります。このクーポン券は宿泊割引だけではなく、地域産品や飲食・施設などの広域で利用できるものになります。
・Go To Eatキャンペーン
オンライン飲食予約サイト経由で、期間中に飲食店を予約・来店した消費者に対し、最大一人あたり1000円分の飲食店で使えるポイントを付与するものです。かつ登録飲食店で使えるプレミアム付食事券(2割相当分の割引等)を発行されます。
・Go To Eventキャンペーン
チケット会社経由で、期間中のイベント・エンターテイメントのチケットを購入した消費者に対し、2割相当分の割引・クーポン券を付与されます。
・Go To 商店街キャンペーン
商店街での購買に繋がるイベントなどの取り組みを支援し、商店街による需要喚起を図るキャンペーンです。商店街あたり最大300万円を上限として支援、商店街等が広域でプロモーションする場合や、観光商品開発等を実施する場合は最大500万円を上乗せ可能となっています。
これらの事業に対する予算規模(令和2年度補正予算案額)は1兆6,794億円に達します。単純な計算ですが、日本の総人口(1億2,644万3,000人:令和元年)で按分すると1人あたり13,281円。とても大きな規模感で、コロナウイルスからの経済復興を目指す骨太の施策といえるでしょう。第一生命経済研究所の試算によると、Go Toキャンペーンによる旅行需要の創出効果は最大55.1%、最大1.37兆円の市場拡大につながるとされています。
GWにどこかへ行きたかったけれど我慢をした、という家庭の多くは、8月以降に夏休み旅行の計画を立て、クーポン券どうやったら入手できるんだろう?と首を長くしている人も多いでしょう。ところが約1ヶ月前の7月を迎えても、いっこうにキャンペーンの詳細が聞こえてきません。果たして施策の準備は進んでいるのでしょうか。
コロナの第一波に沈静化の動きが見えてきた2020年6月、Go Toキャンペーン事業を実際に遂行する事業委託先の公募が行われました。ところが、この委託費が総額3,095億円!?。同時期に10万円給付手続き委託の不透明さが紛糾していたこともあり、いったん公募は仕切り直しとなりました。6月16日に赤羽国土交通大臣が記者会見を行い、委託総額を上限2,294億円まで切り詰めた?と発表しました。
このときの記者会見で赤羽大臣は、「8月の夏休みの早い段階での事業開始を目指して準備を進める」と発表しており、例年なら夏休みは7月下旬からなので、半分ぐらい経過した段階で施策導入という流れになりそうでしたが、つい先日7/10(金)に再度、赤羽大臣の会見があり、7/22(水)より開始されることが決まりました。どうやら夏休みに間に合うようです。
ではキャンペーン開始まで、いまはどう動けばいいのでしょうか。ポイントは、「Go Toキャンペーンの対象にならない部分を決めておく」ことだと思います。その後にGo Toキャンペーンの対象の部分を決めるようにしましょう。
<今決めておくこと>
また上記を決めてから決めることは主に以下の通り。
〇 どのツアーを使うか(ツアーによって対象と対象外が分けられる可能性)
〇 どの旅行会社を使うか(旅行会社によっては対象から外れる可能性)
〇 何を食べるか・どこを観光するか
ここで大切な心の持ちようをひとつ。旅行で楽しいことのひとつは、「旅行の準備」です。準備を楽しみ、夏休みを待ちましょう。ただ昨今の状況を見て、もっとも気をつけなければいけないことがあります。
さて、Go Toキャンペーンが一度走り出すと、コロナ第二波の兆しが見えてもなかなか動きを止められない、という可能性があります。実際に執筆時の7月上旬、東京では連続して感染者200人超えが発表され、「夏休みに旅行に行っていいのか」という雰囲気も増しています。割引を利用して旅行したはいいけれど、現地では旅行者に対して微妙な空気が流れ、「(東京など)感染者数の多いところから来たの?」といわれ悪い意味で心に残ってしまうことも。
東北の岩手など、感染者が出ていない&極めて少ない地域に赴く予定を立てている人は、より慎重に考えるべきではないかと思います。また、職場などコミュニティで「Go Toキャンペーン使った!」とは、暫く言うことのできない空気感が続くのではと予測されます。
いずれにしても、もうまもなく2020年夏は、そのような観光地の空気も十分に配慮しながら、施策を活用する休暇となるでしょう。何よりもまずは旅行の準備期間を楽しむことですね。
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