副業をはじめる時に大切な税金と「お金」の話。税金の扱いは?

2021年02月16日・コラム

目次

    「働き方改革」が唱えられるようになって数年が経ち、本業とは別に仕事をする人も珍しく無くなってきました。副業先を紹介する会社やサービスも次々と生まれ、活況を呈しています。これに対応して、これまで大手企業を中心に定められていた副業禁止の社内規約も撤廃の動きをとるところが顕著です。この動きは今後も加速していくでしょう。全面的な開放ではなくても、総務部に許可(もしくは申請)を済ませれば大丈夫という緩和策を取る会社も。規程緩和を気に、副業を始めてみようという声も聞かれます。

    ただ、副業を進めるにあたり理解する機会がないのがお金まわり。特に税金の問題が代表的です。副業の税金を、本業の人事部や総務部に対し相談するのも気が引けるというもの。副業をはじめる時だからこそ意識したい、大切な「お金」の話です。
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    1.副業の収入と所得税・住民税の関係

    まずは税金の話です。会社員の場合、毎月の給料から社会保険料や年金保険料、雇用保険料に加え、所得税・住民税が引かれ「手取り」となります。このなかで特徴的なのは所得税と住民税といった税金です。本来1年間の所得に対しこれらの税金は課税されますが、勤務先が毎月の所得税を徴収したうえで年末に差額を調整して税務署に納付します。これが「年末調整」といわれるものです。自営業者は所得税を納めるために確定申告が必要ですが、年末調整の対象者は原則、確定申告の対象者ではありません(住宅ローン控除の利用時など対象になる年もあります)。

    当然、所得税・住民税は副業による給料にも発生しますが、当然ですが年末調整の対象には含まれません。そこで給与受取者自身が「確定申告」をして、副業分の税金を支払います。確定申告は1月から12月までの納付分を翌年2月~3月に申告・納税します。

    2.20万円以下の副業は確定申告が必要ないというのは誤解

    インターネットを見ると「副業で確定申告が必要なのは20万円以上」という記載が目立ちますが、厳密にいうとそれは誤解です。正確には言葉足らずというべきでしょうか。確定申告は所得税の算出に必要な手続きですが、住民税は関係なく、給料・報酬から天引きされます。年間報酬が20万円以下だとしても、住民税の支払義務が生じます。これを「特別徴収」といいます。

    特別徴収ではなく、税務署からの納付通知書にもとづき納税者自らが納付する方法を「普通徴収」といいます。当然ながら特別徴収と普通徴収で納税額に違いはないのですが、普通徴収はいったん副業の収入として入ったお金が後から住民税として納税するため、税金として支払ったという意識、いわゆる「痛税感」が強いという特徴があります。副業をすることで一時的に豊かになる収入に油断してしまい、後から納税分に困ってしまうというケースも。副業をした時には、必ず住民税の対象になると意識してやり繰りをしていきましょう。多くの自治体は行政手続きの効率化のため特別徴収を推奨していますが、普通徴収と選択式のところも存在します。自分の住んでいるところはどちらか、も確認しておきましょう。

    3.本業先への利益相反義務や報告不備に注意を

    税金まわり(お金まわり)で副業開始時に気をつけたいポイントはなんでしょうか。副業は収入が増えることによって家計を豊かにしますが、心配事や問題が大きいと思わぬ心労に繋がってしまうことも。代表的なトラブルが、本業先との関係における義務です。

    ①利益相反義務を認識しよう

    利益相反義務とは、本業に従事している以上、類似の商品や営業範囲、取引先に重複してはいけないというルールです。どのような副業をしようかと考えるとき、当然ながら本業で培ったノウハウや営業力などを駆使したいと考えることが自然でしょう。ただ、その動きが本業の事業に損害を与えることになると、活用は許されません。

    この義務は転職時や退職後の独立などに適用されることで知られていますが、副業時のリスクとしても重要なポイントです。営業や企画などで適用されるイメージが強いですが、最近はエンジニアやデザイナーが本業と競合するサービスやプロダクトの開発に関わった場合、本業先から追及される可能性があります。一方で事務職や総務職を本業と副業で重複して仕事をしていた場合は、本業先の利益に損害を与えてはいないため、問題にならない場合が多いです。

    気をつけたいのは、本業先によっては副業規定が定められていないこと。つまり、「副業は止めないけれど『一般常識に即して』勝手にやってね」というスタンスの場合です。一見見落としがちになりますが、この場合も利益相反義務が生じます。まったく気が付かず仕事に応募をして、後日本業先から「突然」注意を受けるという展開もあります。まずは副業開始に応じて本業先の就業規則や副業に対する規定を確認すること。それがない場合は、副業として取り組む際に本業先に確認をすることをお勧めします。ただ、本業先に対して副業のことをなかなか聞けないという不安もよくわかります。また副業として取り組む仕事が利益相反義務に該当するのかは、都度弁護士などの専門家に相談していくのが理想ですが、実際には敷居も高く費用もかかり、なかなか難しいもの。

    ②利益相反義務の可能性がある副業には勤めないことが重要

    本業先に確認するのは難しく、専門家への相談も難しい。となれば、利益相反の仕事にはつかないことが最大の防衛策です。難しいのはエンジニアなどで、副業として手伝っている会社の案件が本業先と競合するケース。この場合仕事選択権は本人にないため、本業先は黙認する場合もあれば、開発をしていることは変わらないため注意を受ける場合もあるというところ。懸念を感じたら副業先にも随時相談するようにしましょう。

    税金ではないですが、この利益相反義務を疎かにした場合、本業先から注意の枠を超え、損害賠償を受ける可能性すらあります。せっかく獲得した副業の報酬が賠償支払いになっては目が当てられません。また、そのあとの本業の勤務にも著しく、マイナスの影響を与えます。

    ③軽視できない報告不備

    本業の業務にマイナスの影響を与えるという意味では、報告不備にも注意です。副業は認める、という場合、本業先への書類提出が必須となる場合があります。先の利益相範義務に関する覚書から副業内容の報告、就業期間の報告など。これを疎かにすると、副業に集中できず、かつ本業にも悪影響を与える懸念があります。

    このように副業は家計や生活費にプラスになる一方で、税金や本業とのあいだでリスクがあります。実際にスタートしてからでは報告ごとも含めなかなか修正が聞かないものです。副業のスタート時だからこそ客観的に、自分の副業にどのようなリスクが隠れているのかを顕在化したうえで取り組んでいくようにしましょう。

    【この記事の著者】

    株式会社FP-MYS 工藤 崇

    株式会社FP-MYS 工藤 崇

    FP-MYS代表取締役社長CEO。1982年北海道生まれ。相続×Fintechプラットフォーム「レタプラ」開発・運営。資格学校勤務後不動産会社、建築会社を経て2015年FP事務所を設立。1年後の2016年7月に法人化。多数の執筆のほか、Fintech関連のセミナー講師実績を有する現役の独立型ファイナンシャルプランナー(FP)として活動中。スタートアップとしてシードラウンドまでの資金調達完了済み。拠点は東京都中央区茅場町。

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