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生命保険のなかでも、病気やケガに対する医療保険は大切です。保険商品のなかでも比較的保険料の負担が少なく、20代や30代などの若者でも「とりあえず医療保険だけ加入している」人も多いでしょう。一方で不況局面が拡がってきた昨今、少しでも不要な支出は避けたいもの。そんな場合でも医療保険は必要なのでしょうか。
そもそも医療保険は、数ある保険商品のなかでどのような位置づけなのでしょうか。保険商品は保障の対象から、大きく3つに区分されます。万が一の際に遺された家族の生活を保障する死亡保険(終身保険)、がん保険や収入保障など細分化した保障内容の保険(第3の保険ともいいます)のほか、今現在の元気な生活が病気やケガで脅かされたときに、医療費を保証するものが医療保険です。生存保険、といわれることもあります。
医療保険の基本的な形は、毎月保険料を納め、病気やケガに罹患すると保険金を受け取ることができます。病気やケガの内容によって保険金は異なるうえ、加入している保険の内容によって入院や通院の給付金条件といった支給条件も異なります。
専門家のあいだには、社会人になって独身のあいだは(遺される家族がいないうちは)医療保険は不要!と唱える専門家がいます。
その理由は、当事者以外に保障の必要はない以上、終身保険は不要ということです。極めて当たり前のことですが、たとえば大学の先輩に頼まれて加入している場合など、「知らないうちに終身保険に加入していた」という場合も。特に終身保険と、医療保険が特約扱いでセットとなっているものもあり、医療保険のみだと把握していたら終身も加入していたケースも。当然、保険料も割高になってしまうので、心当たりのある人は確認してみましょう。
さて、更に専門家のなかには、そもそも医療保険も不要と考える人もいます。
風邪を引いて病院に通ったとき、勤務先で受け取った健康保険証を出すと、負担する医療費が3割で抑えられたという経験があると思います。これが国による、公的健康保険の制度です。年齢や収入(後述)によって、負担上限は1割や2割になる場合もあります。また、一カ月のあいだで医療費が上限を超えたとき、自己負担が8万円前後を上限とし残額は健康保険が負担してくれるという、突然の病院通いに強い味方となる制度もあります(高額療養費制度、自己負担額は医療費総額などによって変わる)。
医療保険不要論者の主張は、公的健康保険や高額療養費の制度がある以上、それなりの預貯金があれば突発的な医療費負担は出来るのではという考えです。医療保険に加入し、何もなければ当然ながら毎月の保険料は「掛け捨て」になります。それくらいなら保険料に充てるお金を預貯金に充て、柔軟に使えるようにしておいた方がいいのではないかというもの。高額療養費制度は支給まで3カ月前後がかかるので、そのあいだの家計維持に医療保険が必要という考えもあります。
そこで記事タイトルについて考えてみましょう。まず、自分が確実に公的健康保険の対象なのかを調べることをお勧めします。会社に属し、毎月(天引きにて)健康保険料を支払っている場合は心配ありませんので、念のため毎月の給与明細を取り出し、健康保険料を支払っているか確認しましょう。問題は個人事業主として独立していたり、誰かの扶養に入ったりしている場合です。
また、高額療養費は「標準報酬月額」という月収を何段階かに分けた基準を適用します。仮に50万円の医療費が必要となったとき、自分にはいくらの上限額が設定されるのかをあらかじめ計算しておきましょう。
<一般的な高額療養費の計算式>(全国協会けんぽHPより)
※総医療費とは保険適用される診療費用の総額(10割)です。
※多数該当高額療養費とは、高額療養費の支給が一定期間で4カ月以上におよぶ場合、家計の負担軽減を目的として更に自己負担を引き下げる制度を指します。
その他の所得区分は全国協会けんぽHPを参照してください。
上記をもとに総医療費が50万円の場合の自己負担上限額を計算すると、次のとおりになります。
<総医療費が50万円の場合の計算式>
80,100+(500,000-267,000)×1%=80,100+2,330=82,430円
そこで健康保険の加入に問題ない前提で、医療保険の加入について考えます。医療保険の保険料相場は毎月数千円~1万円のため、「その1万円で家計の負担感がさほど変わらないのではあれば」、何か医療保険に加入しておくことを強くお勧めします。いざというとき、医療費の負担において「ちょっと貯蓄では支払えないな」という手術費用や先進医療が必要となった場合も、カバーして貰えます。また高額療養費は支給が3カ月前後かかるため、そこまでの繋ぎ資金としての性格も持ちます。公的健康保険には高額療養費支給までの貸付制度がありますが、あくまで返済義務を持つ「貸付」のため、医療保険の方が家計負担は低いです。
そのうえで、保険料負担がさほどかからない医療保険をいくつかご紹介します。
保険料の安さは随一の一方で保証内容のパフォーマンスも上々。「最低限入っておく」には
ぴったりの保険です。
・特徴
〇保険料目安(30歳男性) 1,531円
〇7大生活習慣病に手厚い保障
〇先進医療を受けた時に手厚いサポート
短期入院や通院のみの治療もしっかりとカバー。精神疾患も対象としたスタンダードな医療保険です。
・特徴
〇保険料目安(30歳男性) 1,340円
〇精神疾患も対象の総合的医療保険
〇3大疾病で入院したら以降保険料の払い込みは免除
約1,000種類の手術をカバーした医療保険。がんの再発や3大疾病も充実した一時金でカバー。
・特徴
〇年齢とともに増える8疾病の入院を総合的にカバー
〇がん再発・急性心筋梗塞・脳卒中にも一時金で対応
元気なときほど医療保険は軽視したくなるもの。特に家計管理が進んでいる人は、毎月の支出が顕在化(数字として目に見えている)しているため、「この医療保険の保険料はもったいのでは」となりがちです。筆者もそうでしたが、29歳のときに不意に大きな病気をして、高額療養費受取までの期間に「偶然」加入していた医療保険に助けられました。公的健康保険制度も確かめながら、総合的に自分にとっての医療保険の必要性を考えておくことが大切です。
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