「高校授業料無償化」をどこまで意識すべき?最新教育費相場を分析

2020年06月30日・教育資金
「高校授業料無償化」をどこまで意識すべき?最新教育費相場を分析

目次

    高校授業料の無償化制度は要件(主に年収要件)に該当したとき、家計にとって心強い味方になります。ただ、一方で子どもが生まれたとき、小学校に通い始めたとき、教育無償化はどこまで考えるべきなのでしょうか。最初から無償化制度を頼りにして「家計を組み立てる」べきなのでしょうか。

    以下の記事で高校授業料無償化制度の基本を解説しています。この記事の前提になりますので、まずはこちらをご覧ください。

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    1.教育費は将来の支出に向け長期間で準備するもの

    「高校授業料無償化」をどこまで意識すべき?最新教育費相場を分析

    家計において教育費の位置づけは特別なものです。たとえば住宅購入費(物件購入費も住宅ローン返済費も含みます)や食費・水道光熱費など流動的な支出は、「現時点の収入から現時点の支出を見て対応する」ものです。

    一方で、教育費は子どもが小さいうちは、それほどかかりませんが、大きくなってくるとその金額は跳ね上がります。また子どものキャリアプラン(公立中心にするか、私立中心にするか)によって差が出るものでもあります。お金がかかることが見えてから、貯蓄を始めようと思っても、間に合わないことも多いということも教育費を考える上で非常に難しい点です。そのため、教育費は計画的に長期間で準備をするようにしましょう。

    2.最新データを分析。教育費はどれくらいかかるのか

    「高校授業料無償化」をどこまで意識すべき?最新教育費相場を分析

    教育費はどれくらいかかるものなのでしょうか。文部科学省の調査資料から、一般的に教育費はどの段階で、どれくらいかかるのかを見ていきましょう。

    (幼稚園) 年額/単位:円

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    (小学校) 年額/単位:円

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    (中学校) 年額/単位:円

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    (高等学校) 年額/単位:円

    「高校授業料無償化」をどこまで意識すべき?最新教育費相場を分析

    ※1※2は給食制度がない(一部の学校のみ実施)のため

    出典:文部科学省 子供の学習費調査 平成30年度

    これらのデータを確認したうえで、毎月の余剰金から貯蓄し、その一部を将来の教育費に充てることの検討するようにしましょう。

    3.教育無償化の活用を前提にするのは危険?

    「高校授業料無償化」をどこまで意識すべき?最新教育費相場を分析

    もちろん、子どもがこれから学校に通い始めるなかで、「公立にするか私立にするのか」を聞いても確定した答えは返ってきません。(将来何になりたい?と聞いたらYoutuberといわれるかもしれませんが)。ひとつの指針としては、子どもが中学校を卒業するまでに、教育費として300万円を確保しておくべき、といわれます。

    教育費を貯めるのはとても大変。そこで無償化の記事を見た人から、「教育資金は無償化されるので、ほかの貯蓄を優先してもいいのではないか」という質問を受けることがあります。目安の300万円を貯めるだけではなく、子どものキャリアプランによって何倍にも膨れ上がる可能性のある資金。必要にならない可能性があるのなら、貯めずに「教育無償化の活用を前提に」という考えもあるはず。この考えですが、以下のポイントからとても危険、というのが専門家としてのアドバイスです。

    ①教育無償化の対象には年収要件がある

    正確には高校授業料の無償化制度は、「高校学校等就学支援金制度」といわれています。2020年現在、対象となるのは以下の通りです。

    <高校授業料の無償化制度の対象となる条件>

    保護者の「市町村民税所得割額と道府県民税所得割額の合算額」が50万7,000円(年収約910万円目安)以下であり、かつ、生徒が下記いずれかの学校に在学していること。

    ○高等学校(国公立・私立 / 全日制・定時制・通信制を問わない)

    ○中等教育学校の後期課程

    ○特別支援学校の高等部

    ○その他(高等専門学校や専修学校なども対象です)

    共働きで910万円以上の場合は、無償化にならない場合もあるということです。一般的な感覚として「910」という数字は、子どもを育てるのに安心感のあるものといえます。ただ、教育資金がかからないものとして(教育費の)貯蓄をまったく進めないのは危険です。教育費限定ではなくとも、用途の決めない貯蓄を進めておくのはお勧めしたいところです。

    ②地方自治体による無償化制度もある

    無償化制度のなかには国ではなく、地方自治体による無償化制度もあります。財政が豊かな自治体は危険性こそ低いですが、将来的には無償化制度の見直しの可能性もあります。100%制度自体が無くなることはないものの、年収などの要件が引き上げられることや、支給金額が再考される可能性は頭の片隅に残しておきましょう。

    ③無償化はすべての費用が対象ではない

    いっけん無償化と聞くと、在学中の教育費すべてがかからなくなる、と早合点してしまいますが、対象にならない項目もあります。

    ○ 学校の入学料

    ○ 制服や体操服代・部活費用

    ○ 教科書代

    ○ 修学旅行の積立金

    これらの費用は無償化の対象にはならないため、早めに準備しておくことが大切です。公立・私立にもよりますが、月額30万円くらいは見積もっておきたいもの。かつ、大変なのは一番上の「学校の入学料」です。入学する学校によっては30万円を超えることも。これらのお金は、無償化を活用するしないに関わらず、確保しておく必要があります。

    当記事では無償化制度に対し、最新の教育費相場から活用方法と注意点をお伝えしました。無償化制度は学生、そして応援する両親にとって素晴らしい取り組みです。だからこそ十分に活用できるよう全面的に頼りにすることなく、家計の準備をしていくことが大切だと考えています。

    【この記事の著者】

    株式会社FP-MYS 工藤 崇

    株式会社FP-MYS 工藤 崇

    FP-MYS代表取締役社長CEO。1982年北海道生まれ。相続×Fintechプラットフォーム「レタプラ」開発・運営。資格学校勤務後不動産会社、建築会社を経て2015年FP事務所を設立。1年後の2016年7月に法人化。多数の執筆のほか、Fintech関連のセミナー講師実績を有する現役の独立型ファイナンシャルプランナー(FP)として活動中。スタートアップとしてシードラウンドまでの資金調達完了済み。拠点は東京都中央区茅場町。

    LettePla:https://letteplabiz.com/

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