「現役世代」だからこそ向き合いたい相続とは?まず何をすべきか

2020年08月17日・相続・遺言
「現役世代」だからこそ向き合いたい相続とは?まず何をすべきか

目次

    毎日、家計まわりの様々なことを考えなくてはならないなかで、早めの「相続」を、という声をよく聞くようになりました。実際、書店などに行くと相続という言葉が目につきます。ただ、まだ(嬉しいことに)実の両親も配偶者の両親も元気いっぱいのときに、亡くなった後である相続を考えなくてはいけないものなのでしょうか。今回は、現役世代と相続の関係についてお伝えします。
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    1.自分が亡くなったらお金はどうなるか

    「現役世代」だからこそ向き合いたい相続とは?まず何をすべきか

    相続の準備は「縁起でもない」といわれることが多いです。ただその一方で、明日自分が亡くなったらどうなるか、を気にしている人も多いといわれます。標準的な家庭モデルで考えてみましょう。

    ①妻、子ども2人の家庭で夫が亡くなった場合

    夫名義で持っている資産は半分(1/2)が妻へ。残り1/2を子ども2人で分けるため、それぞれ1/4ずつを子どもに相続します。

    ②夫、子どもなし、妻の両親2名の家庭で妻が亡くなった場合

    夫に2/3。残り1/3を両親で分けるため、それぞれ1/6ずつを両親に相続します。

    ③妻、子どもなし、夫の兄弟2名の家庭で夫が亡くなった場合

    妻に3/4。残り1/4を兄弟で分けるため、それぞれ1/8ずつを兄弟に相続します。

     

    なお、これらは法律で定められた「法定相続分」のため、遺言がある場合などは別の基準が優先されます。その時に気になるのは、いま持っている資産が「分けられやすいものばかりか」ということ。仮に家族・兄弟・親戚間で「分割」となったときに、簡単に分けられず、所有按分も決められないものだった場合、トラブルに発展するケースもあります。相続のトラブルを争族(あらそうぞく)といいますが、最も争族になるのはこの所有按分です。

    とはいってもウチはお金持ちでもないし、家族仲が良いし、まだ元気だし、という方もたくさんいると思いますが、実はトラブルになる資産は多くの方が所有しています。それは今住んでいるその場所です。

    2.「不動産をどうするか」を決めるのは現役世代×相続の第一歩

    「現役世代」だからこそ向き合いたい相続とは?まず何をすべきか

    最も相続のトラブルになるといわれるのは、居住用不動産の処理について。子どもたちにとっては「実家」と言った方のイメージがつきやすいでしょう。では仮に、実家をどうするか決めぬまま親が亡くなった場合、どのようなトラブルが起きやすいのでしょうか。

    居住用不動産の処理として、取り得る選択肢とそれぞれの選択後に検討しなければいけない事項をまとめると以下のとおりになります。

    ①実家を売る

    ・いくらで売るのか

    ・解体するのか

    ・解体費用はどうするのか

    ②相続人の誰かが実家に住む

    ・その分の相続資産はどうするのか

    ・築年数の古い実家を引き継いで納得できるのか

    ・ほかに自宅があったらどうするのか

    ③実家を残す

    ・管理はどうするのか

    ・税金(固定資産税)は誰が払うのか

     

    このように、実際の相続局面になってから不動産をどう処理しようか考えても、なかなか答えは出ません。加えて相続資産として「複数の相続人」が所有していた場合、誰かが「この家はこうする!」とリーダーシップを持って決めても意見がまとまらない、という可能性が高くなります。

    そして意外なのは、相続人のそれぞれに配偶者がいる場合。この場合、配偶者に相続資産を引き継ぐ権利はありませんが(遺言などで指定されている場合を除きます)、「実家を貰ってどうするの?」「なぜうちが(税金を)支払うの?」「(実家は)壊すのがいいと思う」と意見が増え、更に収集がつかなくなります。もちろん配偶者も生活が大切なので、要らぬ負債は避けたいもの。

    ただ、船頭多くして船山にのぼる。時間的制約もあるなかで意見が多いと、結局まとまらないという家庭も多くなります。これは証券や生命保険といった別の資産も同じですし、それほど分配する相続資産がないという場合も心配です。「兄は貰ったのに私は…」という不平等も生じてしまいます。

    3.更に話し合いが必要なのは「負債」のある不動産

    「現役世代」だからこそ向き合いたい相続とは?まず何をすべきか

    とはいえ不動産は「(プラスの)資産」のため、家族での話し合いがまとまれば問題にはならない家庭も多いかもしれません。問題は、「負債のある」不動産です。

    負債といっても両親は借金をしているとは思えない…ここで意外なのは「住宅ローン」です。近年は子どもたちの幼いうちには賃貸住まいを続け、独立をしたあとで中古物件を購入する夫婦も増えてきています。子供部屋が必要ない分購入価格を抑えられるのと、両親の生まれた街などに戻って購入するケースなどがあります。ただ、この時に全額キャッシュで買えることは稀で、頭金をしっかりと準備したうえで(5年-10年など)比較的短期の住宅ローンを組んで購入することがほとんどです。当然購入時の年齢が高いために、住宅ローン返済途中でもしものことが起こってしまうことも。

    そのときの残債も「負債」として相続人が承継しなければいけないものです。そのため、高齢の両親が終の棲家を購入したときには、住宅ローンはどうなっているのかを両親と共有しましょう。なお、住宅ローンの借り方によっては「団体信用生命保険」という保険に加入しており、万が一のときに保険金支給により相続人の負債承継が必要なくなる場合もあります(銀行からの住宅ローンなどは数多く設定されています)。

    4.現役世代にまず何をすべきか

    「現役世代」だからこそ向き合いたい相続とは?まず何をすべきか

    そこで現役世代にすべきことは、資産の配分において家族のコンセンサス(同意)を取っておくことです。各相続人が家を持たない間に「実家は誰が継ぐのか」を決めておくと、資産を承継することになった家族も(家を買わないなどの)準備がしやすいもの。もちろん資産を引き継ぐものだけではなく、元気な両親も一緒に話し合いましょう。

    ただ、ここでネックになるのは両親の「自分が死んだときの話をするのか」という気持ち。残念ながら、これだけ相続トラブルが生じると(マスメディアなどで)報じられても、なかなか両親の元気なうちに相続の相談はしづらいということも。

    ここで解決策のひとつになるのが「遺言」です。両親に対し、しっかりしたものでなくてはいいので資産をどうするか、考えてもらいましょう。遺言の敷居が高ければ書店に並ぶ「エンディングノート」でもお勧めです。

    最近はパソコン上でのエンディングノート作成ツールや遺言作成ツールなどのサービスが増えてきています。本来、相続まわりを専門領域とする税理士や司法書士、ファイナンシャルプランナーなどによる相続相談も整備されています。

    相続のことを考える時間はまさに「早いに越したことはない」もの。不動産は売却するにしろ、短期間でまとまらないことも多いので、亡くなってからでは不安です。さまざまなツールが生まれていますので上手に活用し、また専門家に的確に相談しながら、時間のあるうちに相続相談を進めることを強くお勧めします。

    なかなか直接会っての面談も難しい時勢でありますが、専門家事務所の多くはアクリル板なども感染防止対策も進めていますし、オンライン相談ツールも充実してきています。最新のテクノロジーも上手に活用しながら、現役世代の相続準備を進めていきましょう。

    【この記事の著者】

    株式会社FP-MYS 工藤 崇

    株式会社FP-MYS 工藤 崇

    FP-MYS代表取締役社長CEO。1982年北海道生まれ。相続×Fintechプラットフォーム「レタプラ」開発・運営。資格学校勤務後不動産会社、建築会社を経て2015年FP事務所を設立。1年後の2016年7月に法人化。多数の執筆のほか、Fintech関連のセミナー講師実績を有する現役の独立型ファイナンシャルプランナー(FP)として活動中。スタートアップとしてシードラウンドまでの資金調達完了済み。拠点は東京都中央区茅場町。

    LettePla:https://letteplabiz.com/

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