「ポイント」「増税」「お得」に乗り遅れた方の「キャッシュレス挽回」作戦

2019年10月08日・税金

10月1日から消費税が8%から10%に上がりました。1000円の商品を購入すると20円の増税。定価の違う店舗を探すとして、これを高いと取るか低いとるかは人それぞれですが、同時に注目されているのは商品によって税額が異なる軽減税率、そして支払方法によって旧8%全額が適用される「キャッシュレス」です。増税までに理解しておこうと思ったけれどバタバタで逃してしまった方への挽回大作戦です。

1.消費税とキャッシュレスの関係

よく誤解されているのですが、消費税10%の商品(軽減税率の対象外)をキャッシュレスで支払うと8%になる、というものではありません。専用のアプリを使ってキャッシュレスによる支払い、つまり現金のやり取りをせず商品を購入すると、購入価格の2%もしくは5%の還元が行われるものです。例えるならTSUTAYAやスーパーのポイント制度に近いもの。このキャッシュレスには生活に馴染みのあるクレジットカードやデビットカード、そしてここ数カ月でとても注目されている、〇〇Payが対象です。

ただ、この制度は9カ月間の「期間限定」であることも忘れてはなりません。50万件の現在の登録加盟店のほか、これから還元制度の導入を考えているお店は、この短期間がネックになっているという話も。また10月4日のメディアには、経済産業省の作ったポイント還元店アプリが見つけづらいなど、開始時の不具合が指摘され始めています。

2.キャッシュレスブランドは何を選べばいいのか

ただ、見渡すと決済アプリ、いわゆる「Pay」のつくものが濫立しています。いったい何を選べばいいのでしょうか。

アプリ選びは、2019年前半から各社間で繰り広げられた「ポイント還元」で選ぶのがひとつの方法、もしくは生活インフラにどれだけ密着しているかで検討するのがもうひとつの方法です。まずは前者、ポイント還元率で見ると、2つの会社が投下資金で群を抜いています。

① PayPay

ソフトバンクグループ、Yahoo社によるサービス。アプリ業者のなかでは比較的後発なものの、「100億円あげちゃうキャンペーン」によりキャッシュレスブランドの代表格となりました。現時点でも最もCMを打っている事業者ではないでしょうか。

2019年10月の利用特典は最大1.5%が戻ってくるキャンペーンを開催中。また月ごとの特別イベントとして、複数回利用すると100円~1000円が戻ってくる場合もあります。このように、ちょっとした宝くじ感覚で楽しむことが出来るのもPayPayの魅力ですね。

後発ながら、群を抜く宣伝広告費の投下で、使える店舗は急増中です。その影響で、キャッシュレス=PayPayと捉えている人も多いでしょう。キャッシュレスに少し抵抗感があって、複数のブランドを使用することが怖いな、という方は、PayPayのみアプリに入れておくのも良いでしょう。

② LINE Pay

キャッシュレスブランドでもうひとつ抵抗感が無いのは、既に生活に密着している「インフラ」で決済が出来ること。代表的なものがLINEに実装しているLINEPayです。加盟店での買い物はもちろん、ユーザー間での送金・割り勘が出来るのも大きな特徴です。

LINEPayを始めるうえでの大きな特徴は、専用の決済アプリを準備する必要がないこと。普段遣いしているLINEそのままに、決済を行うことが出来ます。LINEのチャット画面とは別の画面が必要なため、「LINEは友人との連絡やコミュニケーションにしか使っていない」という方は多少抵抗がありますが、覚えてしまえば専用アプリより楽です。また、投資や保険もあるため、お金まわりを一括してLINEで管理することも可能です。

③ メルペイ

LINEと同じように生活に密着したアプリがメルカリです。メルカリも決済アプリを実装しています。メルカリの売上を決済原資として活用できるほか、メルカリを利用していなくても銀行口座から入金することによってアプリを利用することができます。

メルペイは三井住友カードと連携したことで、ドコモが提供する「iDサービス」加盟店での利用も可能になりました。

以上、代表的な3社をご紹介しました。いっけんキャッシュレス各社は還元率やポイントにて覇権を競っているように見えますが、実際は生活インフラとどれだけ密着しているか。「お金を払う」という動機を持っている事業者とどれだけ連携しているかが、今後の大きな鍵となって来るでしょう。

消費税増税のタイミング。「キャッシュレスの波に乗り遅れたな」という方は、上記いずれかの決済アプリを取り入れ、キャッシュレスに慣れておくことをお勧めします。ただ、日常生活ではあまり意識していませんが、Suicaやセブンイレブンのnanacoも立派なキャッシュレスです。

毎日どれだけ、どのコンビニエンスストアで買い物するか。LINEやメルカリはどれだけの利用頻度があるかからアプリのブランドを選び、活用して見るようにしましょう。キャッシュレス挽回作戦の鍵は、食わず嫌いならぬ「触らず嫌い」です。仮にキャッシュレスが日常生活にマッチしなくても、大きな支出をともなうものではありません。好奇心と操作を覚える少しの時間を確保して、折角なら消費税増税で還元ポイントが注目されるこのタイミングに始めてみましょう。

3.家計との向き合い方~キャッシュレスと余計な支出~

消費税の増税分が還付されるような印象を持ち、またアプリを活用する「だけ」でポイントが戻ってくるキャッシュレスの施策。どうしても「節約しているし、もう1つお惣菜を買っても大丈夫か」となるのは止むを得ません。ただ、現金主義でもキャッシュレスでも、原資となる財布のなかは同じ金額です。キャッシュレスは割引券でも商品券もなく、あくまで「手段」ということを忘れずに、アプリ決済を楽しむようにしましょう。

一方のビジネスの世界では、キャッシュレスをめぐる各社の競争はその広告費の巨額さから、「札束の殴り合い」ともいわれています(揶揄している気もしますが…)。ユーザー側からこの状況に期待できることは、増税の賑やかさが落ち着けばカンフル剤として、新たなキャンペーンや特典制度が各社競うように発表されるのではないかということです。

つまり、いま急かしてアプリを入れて覚えなくても、もう一度「波」となるタイミングは来るということ。消費税の流れを逃すのは嫌だけど、ちょっと今は忙しいんだよな。そういう方は、次のタイミングを見図ることも視野に入れ、「キャッシュレス狂騒曲」を楽しんではいかがでしょうか。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【記事の著者】

株式会社FP-MYS 工藤 崇

FP-MYS代表取締役社長CEO。1982年北海道生まれ。相続×Fintechプラットフォーム「レタプラ」開発・運営。資格学校勤務後不動産会社、建築会社を経て2015年FP事務所を設立。1年後の2016年7月に法人化。多数の執筆のほか、Fintech関連のセミナー講師実績を有する現役の独立型ファイナンシャルプランナー(FP)として活動中。スタートアップとしてシードラウンドまでの資金調達完了済み。拠点は東京都中央区茅場町。

LettePla:http://letteplabiz.com/index.html

当サイト内の文章・画像等の内容の無断転載及び複製等の行為はご遠慮ください。

< PR >

人気のマガジン

新着記事

個人資産管理の決定版アプリ、
堂々登場!!

Fortune Pocket お金に向き合えば、人生は変わる。Fortune Pocket 家計とライフプランを考えるアプリ
Apple Storeからダウンロード Google Playで手に入れよう

Android版アプリは旧デザインでのご提供となります。
新デザインにて近日リリース予定。

登録はかんたん!


登録はかんたん!
トップへ